Printstar(トムス)や United Athle(キャブ)といったブランクウェアは、1 着からの小ロットで試作できる便利な選択肢です。自社ブランドを立ち上げた直後、あるいは社内ユニフォームの初回発注では、多くの場合これで十分です。
ただし、試作・初回の次のフェーズに入ると、ブランクウェアでは対応しきれない場面が出てきます。私たちは日本人COOがベトナム・タイニン省の自社縫製工場に常駐しながら、500〜2,000 着クラスの継続ロットを扱ってきました。その立場から、「いつベトナム直 OEM への切り替えを検討すべきか」を 5 つの分岐点に整理してご紹介します。
なお、ブランクウェア各社の品番や在庫体制は 2025〜2026 年にかけて明確に変化しています。業界関係者からは、営業スタッフが大幅に削減され、定番品番の絞り込みが進行中だという話も届いています(公式発表ではなく、取引先・同業からのヒアリング情報)。この環境変化も、判断のタイミングを前倒しする要因になりつつあります。
分岐点①:継続発注の見通しが立ち始めた時
最初の目安は「年間を通じて同じ型を 100 着以上、定期的に発注する見通しが立ったかどうか」です。単発 30〜50 着の案件を年に数回こなすステージであれば、Printstar や United Athle の既製品をベースに、プリント業者さんと連携する既存フローが最適です。
一方で、年 1,000 着以上の定期発注が見えてきた段階では、ベトナム直 OEM の方が単価面でも供給安定性でも優位になります。当社では、1,000 着ロット帯で 800〜1,300 円/着(素材・仕様込みの概算レンジ)、5,000 着以上で 900〜1,100 円/着での継続生産を実現してきました。価格差そのものは「Printstar 仕入れの 7 割になる」といった劇的な話ではありません。安定供給と仕様の自由度、ブランド表現の幅を得られるのが本質です。
分岐点②:襟ネーム・OPP袋・タグをオリジナル化したくなった時
ブランド事業として育っていく過程で、必ず出てくるのが「ブランクウェア標準の襟ネームをオリジナル織ネームに変えたい」「OPP 袋を自社用に差し替えたい」「下げ札のレイアウトを統一したい」という要望です。既製ブランクウェアの上からロゴを入れるだけでは、どうしても「Printstar 由来の T シャツにロゴを乗せた状態」が残ります。
当社の OEM では、型そのものは Printstar 定番に近い仕様をベースにしながら、襟ネーム・下げ札・OPP 袋をすべて御社ブランド仕様で作成できます。首元を見たときに「どこで作ったか分からない=御社ブランドそのもの」に仕上がります。継続発注では、ネーム・タグ・パッケージを一度決めてしまえば、以降は同じ仕様で回せるため手間もかかりません。
分岐点③:定番品番の廃番・仕様変更に振り回され始めた時
前述のとおり、国内ブランクウェアでは 2025〜2026 年にかけて品番の絞り込みが進んでいます。00300 系のヘビーウェイト、0085 系の T/C クルーネックを軸に、長く販売されてきた品番でも「在庫限りで終了」という案内が出るケースが増えています。
社内で「来年もこの型を使い続けられるのか」「取引先に提案した型が廃番になったらどう説明するか」という不安が出始めたら、OEM への切り替え検討タイミングです。当社では、定番ブランクウェアに近い基本型(クルーネック/V ネック/ポロ/ジップパーカー等)をベースに、御社専用の型として継続生産できる体制を維持しています。素材は基本 3 種(ポリ 100%、コットン 100%、混紡)+定番色から選べ、ロット次第でオリジナル生地の開発にも対応可能です。
分岐点④:昇華転写・全面プリント・複雑配色の要求が出てきた時
チームウェア・ユニフォーム・大会用ジャージ等、昇華転写や全面プリント・複雑な配色の要求が入ってくるフェーズでは、既製ブランクウェアでは構造上対応できないケースが出てきます。シルクプリントで済む案件なら Printstar の既製型にプリント業者さんで十分ですが、昇華転写は「無地生地の段階からロゴ配色を刷り込む」工程なので、そもそも既製ブランクウェアでは作れません。
当社のベトナム工場では、昇華転写・全面プリント・切替配色を前提としたパターンと縫製工程を持っています。「スポーツチーム用ジャージを昇華で作りたい」「前後で配色を切り替えた T シャツを 500 着だけ作りたい」といった案件では、初回のパターン起こしから当社内で完結できます。詳しくは カットソーOEMの生産体制 もあわせてご覧ください。
分岐点⑤:3〜6 週の納期と在庫リスク縮小が天秤に乗った時
ブランクウェアの最大の強みは「即納」です。国内在庫を持つ商社経由であれば、数日〜 1 週間で手元に届きます。一方、ベトナム直 OEM は通常 3〜6 週間の納期が必要です。この差をどう捉えるかが最後の分岐点になります。
判断基準は「発注計画が何ヶ月先まで立てられるか」。年間の発注スケジュールを四半期単位で組める事業(チームウェア年間供給、制服の定期入替、販促品の季節発注など)であれば、3〜6 週の納期は十分に許容範囲に入ります。代わりに、国内倉庫での死蔵在庫リスクを減らし、単価と自由度を取りに行けるのが直 OEM の強みです。発注計画がまだ日単位でしか動かせないステージなら、ブランクウェアを継続する方が合理的です。
切り替えなくていいケースも正直にお伝えします
本記事の立場は「全員が OEM に切り替えるべき」ではありません。以下のケースでは、Printstar や United Athle の既製ブランクウェア+国内プリントのフローが最適です。
- 1〜数十着の個人・少人数案件
- 胸 1 色・背中 1 色のシンプルなシルクプリント
- 既存品番のまま、仕様変更の予定なし
- 即納が絶対条件(即日〜 1 週間)
- 年間の発注量が不定期で見通せない
「取るべきではない案件」を正直にお伝えすることが、長くお付き合いできる代替調達先の条件だと考えています。上記に当てはまる場合は、ブランクウェアの継続が合理的です。
よくあるご質問(ブランクウェア → OEM 切替)
Q1. Printstar・United Athle で小ロットを試した後、いつベトナム直 OEM に切り替えるべきですか?
年間 1,000 着以上の継続発注見通し、オリジナル襟ネーム・OPP 袋の必要性、定番品番の廃番リスク、昇華転写・複雑配色の要求、3〜6 週納期の許容、この 5 つの分岐点のうち 2〜3 個が当てはまれば検討タイミングです。ひとつだけなら、まだブランクウェアの継続が合理的です。
Q2. ベトナム直 OEM と Printstar の価格差はどれくらいですか?
1,000 着ロットで 800〜1,300 円/着(素材・仕様込みの概算レンジ)、5,000 着以上で 900〜1,100 円/着、10,000 着以上で 800〜900 円/着が目安です。Printstar 仕入れの 70% になるような劇的な価格差はなく、主な差別化価値は「自由度」と「供給安定性」にあります。
Q3. 既製ブランクウェア+プリントで十分なケースは?
1〜数十着の個人・少人数案件、胸 1 色のシンプルシルクプリント、既存品番のまま仕様変更なし、即納必須(即日〜 1 週間)、年間発注量が不定期で見通せない場合は、Printstar や United Athle の既製ブランクウェア+国内プリントのフローが合理的です。
Q4. ベトナム直 OEM の納期はどれくらいかかりますか?
通常 3〜6 週間です。即納を求める案件には向きません。一方で、年間発注スケジュールを四半期単位で組める事業(チームウェア年間供給、制服の定期入替、販促品の季節発注など)であれば 3〜6 週は十分許容範囲で、国内倉庫の死蔵在庫リスクを減らし、単価と自由度を取りに行けます。
Q5. オリジナル襟ネームや OPP 袋の対応は可能ですか?
可能です。当社の OEM では、型を Printstar 定番に近い仕様ベースにしながら、襟ネーム・下げ札・OPP 袋を全て御社ブランド仕様で作成できます。継続発注では仕様を一度決めてしまえば同じ仕様で回せるため、2 回目以降の運用負荷もかかりません。
乗り換え 3 ステップ
上記 5 つの分岐点のうち、2〜3 個が当てはまる状況であれば、一度ご相談ください。乗り換えは以下の 3 ステップで進めます。
- ①相談(30 分):現在の発注量・型・仕様・納期許容度を共有いただく
- ②サンプル発注(1 着から):御社仕様での確認用サンプル製作
- ③本発注(100 着から):継続的な OEM 体制を構築
日本語でのやり取りはベトナム現地の日本人COOが直接担当します。オンライン会議での工場ツアーや、サンプルの日本語コメント付き返送にも対応しています。当社の工場体制と品質管理、あるいはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
「まだブランクウェアで十分」と判断される場合でも、将来のフェーズ移行の準備として、当社側で概算見積だけお出しすることも可能です。現在の発注構造と将来像を共有いただければ、切り替えタイミングの相談相手としてご活用ください。
総合的な代替調達先の比較は Printstar 代替 ブランクウェア OEM|ベトナム直 自社工場 もご参照ください。ブランクウェア業者向けの判断軸・価格レンジ・業態別マッチングを整理しています。
チームウェア案件(スポーツチーム・部活・クラブ向け)で昇華転写フル配色が必要な場合は チームウェア OEM 昇華転写 ベトナム — 500 着からフル配色・襟ネーム対応 をご参照ください。500 着〜の継続発注を前提に、襟ネーム・仕様変更を含めた OEM 仕様をまとめています。
